今月の主題 呼吸不全とその管理
呼吸不全の診断
換気・血流の不均等分布
大塚 洋久
1
,
冨田 友幸
1
1北里大内科
pp.1523-1525
発行日 1977年11月10日
Published Date 1977/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207434
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はじめに
換気・血流の分布異常は最も普遍的にみられる肺機能障害であり,種々の原因による呼吸不全の病態に重要な役割をはたす.呼吸不全における低酸素血症の成立に,より直接関与するのは,換気・血流の分布異常でなく,換気・血流比,すなわち局所的な換気量と血流量の比の不均等分布であるが,それは換気・血流の分布異常の結果にほかならない(図1).CO2分圧が上昇して,一見,単なる低換気とみられる呼吸筋麻痺などの場合にも換気・血流の分布異常が呼吸不全の原因となっている可能性があり,動脈血ガスデータの解釈にあたって注意を要する.低換気によらない低酸素血症を認めたときは,換気・血流の分布異常の関与を疑って鑑別診断を行う必要がある.
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