特集 肺末梢領域の病像と病態
肺における呼吸機能不均等分布の解析
川城 丈夫
1
,
山口 佳寿博
1
,
横山 哲朗
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
pp.475-479
発行日 1981年5月15日
Published Date 1981/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203766
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肺内に存在する種々なる呼吸機能の不均等分布のうち,換気・血流比(VA/Q)の不均等分布はその増大が呼吸器疾患における呼吸不全を惹起するメカニズムの中で重要な因子の1つであるとして,すでに広く知られている。この換気・血流比の不均等分布を評価するための方法が,Yokoyama and Farhi12),King and Briscoe4)およびWagner and West9)などの方法も含めて数多く開発されている。これらの方法はそれぞれ優れた点を有しているが,実施上に困難な点を含んでいることなどからこれらが臨床の場において現在十分に活用されているとは必ずしもいい難い。そこで私共は,室内気吸入下において換気・血流比の不均等分布を評価するためのO2,CO2およびN2を指標ガスとしたコンパートメント解析を試みた13,14)。
また肺内におけるガス拡散能力値および拡散能力値・血流比の分布もまた肺内ガス交換に影響をおよぼす因子であることが知られている1,2,5〜7)。
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