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核医学的方法のもたらした意義の一つは診断における機能と形態の結びつきをある程度可能にしたことにあるが,肺における本法の導入は,その意味で画期的である1)2)。すなわち従来実験仮説にすぎなかった不均等分布の概念がアイソトープの肺内地理分布の形で実体化されることとなった。たとえば正常肺血流および換気ともに下方に分布の多い不均等な存在であることが知られたが,血流は低圧肺血管系における血液自身の重力効果の反映であることが実証され3)換気もまた肺実質自身の重力効果の反映であるが,これによって胸腔内の圧力分布が不均等となり,これと肺組織弾性すなわち静肺圧一容量関係の指数関数的特性との関連によって合理的に説明された4)。しかし現実にこの関係に従わない部分が低肺容量時の下肺領域に存在することがあきらかにされ5),これより末梢気道系閉鎖の現象すなわち「Closing volume」の問題があらたに提起されることとなった。ここでいう「Closing volume」とに近年大気汚染6),喫煙7)による初期末梢気道(small airway)病変の検出法としてにわかに注目をあつめることとなったが,元来不均等分布の地理的所見に由来するものである。
Recently the preclinical change of small airway due to air pollutant such as cigarette smoking has been known to cause premature closure of the small airway especially at dependent part of lung at higher lung volume than normal person without cigarette smoking, which is clearly evidenced by the so-called "closing volume" (CV) as measured by the single expiratory curve using a bolus of tagging material at residual volume (RV) such as 133-xenon.
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