今月の主題 肺機能検査の実際
肺機能検査で何がわかるか
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西田 修実
1
1広島大第2内科
pp.496-501
発行日 1979年4月10日
Published Date 1979/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215830
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低肺気量レベルでの呼吸とairway closure
Nunnらは,健康者を対象として低肺気量レベルで空気呼吸を行わせると,28歳以下の若年者ではSaO2(動脈血O2飽和度)は有意に低下しないけれども,老年者ではSaO2はまもなく低下し,再度FRC(機能的残気量)レベルで安静換気させるとSaO2はすぐ正常値に戻るという成績を得て,老年者でみられるこのような変化はreversible airway obstructionに基づくのであろうと考えた.さらに彼らは,老年者にFRCレベルでO2を呼吸させた後,低肺気量レベルでO2呼吸を行わせたところ,PaO2(動脈血O2分圧)は著明に低下し(PaO2が243mmHg低下した症例がある),その後,呼吸をFRCレベルの安静換気に戻してもPaO2はなかなか上昇せず,20分経過後においても以前の値に戻らないという成績を得た.そして,このような症例の胸部X線所見をみると,両側の上葉はまったく正常であるが,両側下葉のbasal segmentにはatelectasisがみられ,また右中葉にもpartial atelectasisが認められたという.したがって,老年老が低肺気量レベルで換気したときにPao2の低下する原因はatelectasisに基づくshuntによるものであろうと考えた.
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