連載 環境?!・16
非喫煙者に配慮した喫煙スペース
筧 淳夫
1
1国立医療・病院管理研究所 施設環境評価研究室
pp.263
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901181
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国際線でも全面禁煙を実施する航空会社が大半を占める時代となってきた。厚生省内でも,全面禁煙とまではいかないが,禁煙タイムを設けてその時間帯は一斉に職員の喫煙を規制しているそうである。喫煙者には肩身の狭い時代ではあるが,副流煙の有害性を含めて非喫煙者への迷惑を考慮すると,公共の場での喫煙には制限が必要であろう。
さてそれでは,病院や高齢者施設における喫煙の制限はどのようにするべきなのだろうか。まったくの禁煙を打ち出している病院がある一方で,一部の精神病院のように,病棟内での喫煙を野放しにしている病院もある。終のすみかとして高齢者施設で生活しているお年寄りの場合,それまでの生活習慣を強制的に排除することがよいことなのだろうか。また,強く禁煙を患者や入所者に強いると,隠れて喫煙を行なうようになり,失火による火災の原因ともなる。現実的には,適切な喫煙スペースを施設内に造って,喫煙場所を確保するしかないのであろうか。しかしそのような場所も,たばこの煙により内装が黄色く変色していることが多く,見苦しいものがある。
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