Japanese
English
装置と方法
冠状動脈撮影法
Coronary Arteriography-Apparatus and Method
都築 正和
1
Masakazu Tsuzuki
1
1東京大学医学部胸部外科学教室
1Department of Thoracic Surgery, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.391-395
発行日 1971年5月15日
Published Date 1971/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202261
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はじめに
冠状動脈疾患の増加にしたがい,また冠状動脈疾患の外科療法の発達に伴って,冠状動脈撮影法の意義がますます重要性を加えてきた。1945年Radnerが人体の冠状動脈の造影について初めて報告して以来,いろいろの方法が考案され用いられたが,冠状動脈の造影は必ずしも容易なことではなかった。冠状動脈血流量は循環血液量の約5%で,通常の造影剤注入法では充分の量の造影剤が冠状動脈に流入しにくいわけである。
Sones1)(1959)がカテーテル先端を冠状動脈口に挿入して造影剤を直接選択的に冠状動脈に注入する選択的冠状動脈撮影法を創始して以来,次第に選択的方法が用いられるようになり,現在世界的に多くの施設で採用されている。当初はある程度合併症発生の可能性があったが,効急設備を完備し,かつ熟練した医師,X線技師,看護婦がチームワークを組んで検査を行なえばそれほど危険性の多いものではない。本稿では選択的冠状動脈撮影法を中心として,装置と方法について概説することとしたい。
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