今月の主題 狭心症とその周辺
虚血性心臓病の診断
冠状動脈造影法
須磨 久善
1
,
鈴木 章夫
1
Hisayoshi Suma
1
,
Akio Suzuki
1
1順天堂大学医学部・胸部外科
pp.639-642
発行日 1982年4月10日
Published Date 1982/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217711
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虚血性心疾患の診断,治療における冠状動脈造影法の占める位置は,まさに未開のジャングルに足を踏み入れる探検家の持つ地図に匹敵するものといえる.それだけに地図を作製する者の技術と考え方が患者の生命に大きな影響を与え,1回の造影の成否,できばえが予後を左右することにもなる.本法が真摯なphilosophyを持ち,正しいトレーニングを受けた医師たちによって広く施行されるようになってはじめて,虚血性心疾患の治療がすべての病める人の手に届き,ACバイパス手術が普及し得るといっても過言ではない.本稿の意図するところは冠状動脈造影に携ろうとしている医師たちが,本法のもつ重要性と危険性を正しく認識して,すばらしい地図を安全に作製することができるようになることを切に念じるものである.
技術的な面における詳細は各expertのtext bookを参考に,正しい指導を受けられたい1〜3).
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