今月の主題 血栓とその臨床
血栓塞栓症
冠状動脈
金沢 知博
1
,
池田 成昭
1
1秋田大第2内科
pp.856-857
発行日 1979年6月10日
Published Date 1979/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215915
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はじめに
心筋梗塞とは冠動脈の閉塞または高度の狭窄によって発生した不可逆的な心筋虚血-心筋壊死をさす.このような高度の冠血行不全をきたす最大の原因として古くから冠動脈血栓があげられ,冠動脈血栓症が心筋梗塞症と同義語に使用された時期もあった.しかし,近年,冠動脈血栓は心筋梗塞の原因であるよりは,むしろ結果であるとする見解がだされるようになり,両者の因果関係に問題が提起されている.一方,血栓形成に重要な血小板に関する最近の知見には著しいものがあり,冠動脈硬化および血栓の発生機序として血小板の動態が注目されている.以下,これらの問題を中心に少しく述べる.
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