Japanese
English
講座
物理的心・脈管力学的分析法
Physical Methods of Cardio-vascular Dynamical Analysis.
斎藤 十六
1
,
稲垣 義明
1
,
宇佐美 暢久
1
,
中村 仁
1
Soroku Saitoh
1
,
Yoshiaki Inagaki
1
,
Masahisa Usami
1
,
Yasushi Nakamura
1
1千葉大学医学部第2内科
1The 2nd. Clin. Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Chiba University.
pp.15-33
発行日 1964年1月15日
Published Date 1964/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201280
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.体循環系における物理的脈管力学的分析法(Wezler法,Broemser—Ranke法)について
Wezler57)法,および,Broemse-Ranke法4)は,O. Frank11)によつて展開された大動脈,および,大きい動脈の気槽作用にかんする仮説にもとづく。この気槽作用説からすれば,心拍量=縮期性流血量+縮期性貯血量となる。この両血量の区分を,Wezler,および,Broemser-Rankeは,それぞれ,独自の見解のもとに,生理的真実性を失なわない物理的簡略化によつて,展開した。両者の根本的な差は,気槽系の実効長のめかたにある。すなわち,Wezlerは,"Punktförmige Wind—kesseltheorie"を立て,気槽系の限界を脈波速度と気槽系内に生ずる脈波の基礎振動時間との積の1/4とした。このさい,気槽系内の血流速度は,縮期性が弛期性より速く,かつ,気槽系の末端では,縮期性流血量=弛期性流血量,が理論的に認められる。したがつて,縮期性貯血量の式を導き,2倍して心拍量を求める。これにたいして,Broemser-Rankeは,"Unendliche Lange Wind—kesseltheorie"を立て,気槽系の限界を脈波速度と縮期時間の積とした。このさい,気槽系の末端では,血流速度は一定ということが理論的に認められる。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.