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特集 肺循環(1)内科領域
肺における血行力学—とくに肺動脈容積弾性率,および,肺循環系におけるPeaking現象
Studies on Pulmonary Haemodynamics
渡辺 昌平
1
,
稲垣 義明
1
,
中村 仁
1
,
野口 徹男
1
,
野呂 忠慈
1
Shohei Watanabe
1
,
Yoshiaki Inagaki
1
,
Yasushi Nakamura
1
,
Tetsuo Noguchi
1
,
Tadayoshi Noro
1
1千葉大学第2内科
1Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Chiba University.
pp.61-69
発行日 1963年1月15日
Published Date 1963/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201175
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はじめに
教室では,高血圧症にたいして,Wezler—Boger1)の分類による分時送血量型・末梢流血抵抗型・容積弾性率型,および,それらの混合型の本態を分析してきた。また低血圧症にたいしてはDuesberg-Schroeder2)の分類による緊張亢進型,緊張低下型,および,麻痺性虚脱型の本態を分析してきた。かような末梢循環力学的分析が肺循環にも適用しうることについて,1959年,斎藤教授3)は日本医学会シンポジウムの主題,肺循環において,教室の業績を発表した。また,Blumberger—Holldack4)5)が右室の力学的分析からえた容量反応型と圧反応型が,右室にも適用しらることをも述べた。ただし,このさい,大循環系における場合と,いくつかの点でちがうところをも指摘した。この特集では,それぞれの方が,各方面から肺循環系の特徴について述べられるゆえ,われわれは,この小文で,1.肺循環系の容積弾性率を中心にして観察したところと6),2.肺循環系の血圧変動については,"Peaking"現象だけをとりあげる7)。
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