Japanese
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特集 循環系薬剤の基礎と臨床
降圧剤と昇圧剤の基礎
Pharmacology of the pressor and depressor drugs.
長崎 信行
1
Nobuyuki Nagasaki
1
1久留米大学医学部薬理学教室
1Dept. of Pharmacology, School of Medicine, Kurume Univerity
pp.361-373
発行日 1959年4月15日
Published Date 1959/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200751
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I.降圧剤の薬理
先ず与えられた降圧剤の薬理という標題を単に血圧を下降せしめる薬物の意味でなく,高血圧治療薬(Antihypertensive agents)と解して,近時多数製出せられつつあるこの種の薬物の作用機転,強度,持続等について述べたい。
最近脳溢血による死亡率が高くなり,しかもわれわれの高血圧,特に本態性高血圧を招来する機転についての知識はきわめて乏しいものにすぎず,このため薬物による治療も病原療法ではなく症因療法を行うにすぎない。しかし,一時的に熱を下降せしめることでさえ患者に好影響を与えることから判るように,異常な高血圧状態を或程度低下せしめることは,心負担を軽減し,脳出血を予防し,又血管壁の変化を防止するのに役立つことは当然で,ここに降圧剤の意義があるわけである。
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