Japanese
English
特集 循環系薬剤の基礎と臨床
降圧剤の臨床薬理の一断面—諸種降圧剤の主要臓器循環・代謝に及ぼす影響について
Effects of Antihypertensive Drugs on Circulation and Metabolism of Vital Organs :A Clinicopharmacological Aspect of Antihypertensive Drugs
小林 太刀夫
1
,
萩野 健一
1
Tachio Kobayashi
1
,
Kenichi Hagino
1
1東京大学医学部内科
12nd Department of Int. Med. The University of Tokyo, Faculty of Medicine
pp.375-380
発行日 1959年4月15日
Published Date 1959/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200752
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
まえがき
近年相継いで登場した諸種の降圧剤が,臨床的に広く用いられ,高血圧症の治療の一環としてその優れた効果が確認され1)−3),また最近では利尿作用とともに降圧作用をも示すスルフォンアマイド系合成剤クロロサイアザイド及びその類似薬剤が出現,臨床的に応用されつつある4)−5),後者の特異な薬理作用は別としても,従来のロゥオルフィア製剤・ヒドララジン・神経節遮断剤等の降圧剤も,それぞれの薬理作用を異にし,降圧をもたらす作用機序には個々の特有性がある。したがつてこれ等を臨床的に使用し,効果を云々するにあたつてはそれぞれの一長一短のあることが問題となる。
一方高血圧患者を治療するに当つて心・腎・脳の重要臓器の障害の程度,合併症の有無はその予後にも関連して重大なことがらである。殊に降圧剤使用に際してはこれ等臓器の循環・代謝に及ぼす薬剤の影響をその障害度,合併症の存否とともに考える必要がある。その様な考慮の払われた後で降圧剤の適応・薬剤の選択・降圧度の許容範囲等が決定されねばならない。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.