特集 古い治療から新しい治療へ
降圧剤
大島 研三
1
1日大内科
pp.38-39
発行日 1968年1月10日
Published Date 1968/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202055
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歴史と現状からみた問題点
降圧剤は過去約10年にわたり,本質的にはほとんど変わつていない。Rauwolfia serpentina剤が文明国の臨床に応用されはじめたのが1950〜1953年であり,また最初の利尿降圧剤であるChlorothiazideが開発せられたのが,1955年前後であり,また交感神経節遮断剤の最初のものであるmethobromineが臨床応用されはじめたのが1952年であるから,1950年を境として,治療法に画期的の変化がおこり,その後この3者を出発点とした諸種の誘導体がつくられ薬品の種類は多数を数えるにいたつたが,治療の形式は本質的には変わつていない。
このようにひとつの薬剤が12〜15年の長きにわたり,王座の位置を護りつづけることは珍しいことであるが,長年の経験を経て残つたことは,優秀性が実証されたわけで,それはまた長期の療養を必要とする高血圧の場合において,患者にとつてこの上ない利益でもある。
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