Japanese
English
原著
僧帽弁閉鎖不全症に対する心房隔壁欠損作成術
Production of Atrial Septal Defect in Mitral Insufficiency
小澤 凱夫
1
,
田辺 孜
1
,
曲直部 寿夫
1
,
村田 由一
1
,
河合 明
1
,
雲井 康晴
1
,
富田 惠一
1
,
藤本 淳
1
,
杉本 円諦
1
,
星田 嘉朗
1
,
佐藤 安正
1
,
松崎 芳彥
1
,
森永 堯
1
,
国枝 亮
1
,
西山 実
1
,
田中 陽造
1
,
安藤 一
1
,
豊田 祐三
1
Yoshio OZAWA
1
1Ist Surgical Clinic, Medical School of Osaka University
pp.109-115
発行日 1954年3月15日
Published Date 1954/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200143
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Ⅰ.緒言
僧帽弁々膜症特に狭窄症に対する外科的治療法としてけBailey1)或はBrock2)等の直接的手段とBland & Sweet3),Blalock4)或はHarken5)等の間接的手段の2つの方法がある事は周知の通りである。而して前者は後者に比し遙かに根本的である為に,後者は今や見棄てられた現況である。然るに僧帽弁閉鎖不全症に関しては現在尚根本的な直接的手段として確立されたものはない。勿論Bailey等のIntracardiac Pericardial Tampo—nage6)或はCommissuroraphyという方法,Brock7)の後尖弁成形術,或は最近の榊原教授8)の靜脈片移殖による後尖の成形術等があるが,技術的には尚困難な点もあり,その効果,或は適応も未だ確定したものでないと云つても過言ではない。
茲に我々は所謂間接的手段ではあるが左心房圧の上昇により惹起した肺循環系の欝血状態を心房隔壁欠損(以下FOと略す)作成という新たな短絡造設により取除き症状の好転を企図する方法を取上げて考えて来たのである。扨斯る間接的手段のヒントは1926年Jarotzky9)がLutembachea10)のSyndromより僧帽弁狭窄症に対する外科的治療法の一手段として暗示したことに始まるのである。
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