Japanese
English
症例
左心室憩室を伴つた先天性心疾患の1例—左心室憩室+心房隔壁欠損+フアロー氏四徴症
The diverticulum of the left veutricle with Fallot's tetralogy and atrial septal defect
曲直部 寿夫
1
,
藤本 淳
1
,
富田 惠一
1
,
杉本 円諦
1
,
星田 嘉朗
1
,
奧 信夫
1
,
西山 実
1
,
田中 陽造
1
,
田中 衛
1
Hisao Manabe
1
1大阪大学医学部第一外科教室
1Ⅰst surgical clinic of Osaka University, Medical School
pp.780-784
発行日 1955年12月15日
Published Date 1955/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200313
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先天性心憩室の例は現在尚珍らしい。1839年O'Bryan1)が第一例を報告して以来Von Synd—ow3),Wieting3), Rossler,Skapinker5),Potts6),Bailey7)等の報告があり,現在迄16例の症例を文献上みるに過ぎない。心憩室の出現頻度についてはThomas Nelson8)によると1000例の先天性心畸型中4例である。先天性心憩室と他の心畸型との合併の例は更に珍らしく,1例に心房隔壁欠損を合併しているのみである。左心室憩室に心房隔壁欠損,フアロー氏四徴症を伴つた例は欧米は勿論,本邦に於ても未だ報告をみない。
我々は最近,表題の如き畸型に対し憩室初除,ブラロツク氏鎖骨下動動脈・肺動脈端側吻合術を行つた処,不幸死亡した1例を経験したので報告する。
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