Japanese
English
特集 喘息病態の修飾因子・難治化因子
喫煙
Smoking as Aggravating Factor of Bronchial Asthma
浅井 一久
1
,
平田 一人
1
Kazuhisa Asai
1
,
Kazuto Hirata
1
1大阪市立大学大学院医学研究科呼吸器内科学
1Department of Respiratory Medicine, Graduate school of Medicine, Osaka City University
pp.523-528
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102232
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はじめに
気管支喘息は,他のアレルギー疾患の増加と同様に有病率が上昇し,その有病率は5%を超える状況となっている.1990年代からの吸入ステロイド(inhaled corticosteroids;ICS)の導入によって喘息のコントロールは改善しつつあり,喘息死は減少しているが,依然として年間2,000名を超える喘息死が認められる.さらなる喘息死の低減のためには,ICS抵抗性の重症・難治化喘息への対応が急務である.喘息病態の修飾因子・難治化因子の一つとして,「喫煙」が挙げられる.本邦は先進諸国のなかでも喫煙率が高く,経年的にも日本の喫煙率は依然高い水準を保っている(図1)1).また,気管支喘息患者の約30%が喫煙し,これは非喘息の一般人口と変わらないとされており,喘息コントロールへの影響は無視できない.
タバコには,4,000種以上の化学物質が含まれ,ニコチン,タール,一酸化炭素,一酸化窒素に加えて,シアン化合物やヒ素,ダイオキシンなどの強毒性の化学物質も含まれる.本稿では,修飾因子・難治化因子としての喫煙の喘息病態への影響を概説する.
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