Japanese
English
特集 喘息とCOPDの増悪をめぐって
喘息とCOPDの増悪機序
Exacerbation Mechanism of Bronchial Asthma and COPD
浅井 一久
1
,
平田 一人
1
Kazuhisa Asai
1
,
Kazuto Hirata
1
1大阪市立大学大学院医学研究科呼吸器病態制御内科学
1Department of Respiratory Medicine, Osaka City University
pp.141-147
発行日 2009年2月15日
Published Date 2009/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101198
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はじめに
気管支喘息は,近年のアレルギー疾患の増加に伴い有病率が年々増加している.また,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)も,GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)1)で診断の再定義がなされて以降,潜在的な患者が多数に上ることが明らかとなっている.気管支喘息・COPDは,ともに慢性気道炎症に基づいて閉塞性換気障害を呈する疾患である.古くから論議されるも未だ結論に達しないが,両疾患の発症機序や気道炎症には相違が認められ,安定期の病態にも差が認められることはもちろん,増悪時の病態にも差異がみられる.両疾患の増悪はHQOL(health-related quality of life)を損ない,時に生命に危険が及ぶこともある.それゆえ,両疾患の増悪機序を理解し,適切な対応を取ることが望まれる.
本稿では,気管支喘息・COPDの増悪機序に関して,増悪原因や増悪に伴う気道炎症の変化について概説したい.
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