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特集 喘息病態の修飾因子・難治化因子
COPD
COPD
長谷川 浩一
1
,
室 繁郎
1
Koichi Hasegawa
1
,
Shigeo Muro
1
1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
1Department of Respiratory Medicine, Graduate School of Medicine, Kyoto University
pp.529-534
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102233
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はじめに
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,たばこ煙を主とする有害物質に長期に吸入曝露することで生じる肺の炎症性疾患であり,呼吸機能検査において正常に復すことのない気流閉塞を示すことで定義されている1,2).喘息とCOPDはいずれも慢性の気道炎症性疾患であり,生理学的に閉塞性障害を来すという点において類似している.しかし病態に主に関わる炎症細胞や病理学的変化,治療反応性などは異なっており,喘息とCOPDは明確に区別される疾患である.典型例では特徴的な病歴や検査所見などにより容易に鑑別できるが,日常臨床においては鑑別が困難な症例や,喘息にCOPDが合併していると考えられる症例にも遭遇する.COPDの合併が喘息の難治化の一因となりうるため,適切に診断し治療する必要がある.本稿では喘息とCOPDの相違点について述べたのちに,難治化因子としてのCOPD,喘息に合併したCOPDの診断,そして最後にCOPD合併喘息の治療について概説する.
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