Japanese
English
Current Opinion
喫煙と肺癌
A Review of the Relationship between Tobacco and Lung Cancer
繁田 正子
1
Masako Shigeta
1
1京都府立医科大学医学研究科地域保健医療疫学
1Department of Epidemiology for Community Health and Medicine, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.419-424
発行日 2008年4月15日
Published Date 2008/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101020
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喫煙と肺癌をめぐる最近1年間の話題
(1) 概 説
1. 今や研究の主流は受動喫煙に
「喫煙と肺癌」という今回のテーマは,2007年の医学界を俯瞰するとき時機を得たものと感じる.「喫煙が肺癌を起こすことなど40年以上前の米国公衆衛生総監報告1)で結論がでていることだ.何を今更…….」と思われた読者もおられるだろう.もちろんそのとおりである.
しかし,この1年に発表された論文のなかで特に目を引くのは,一般的に誰でも知っている「能動喫煙と肺癌」に関するものではなく,人類全体への脅威という意味では前述の報告書以上のインパクトともいえる「受動喫煙と肺癌」に関するものである2~6).1981年,世界に先んじてわが国から第一報7)がでたものの,多くの人が「まさかそこまで」と思い,タバコ会社の否定的結果への誘導もあり8),長く議論が続いていた「受動喫煙と肺癌」の関係が動かしようのない科学的事実として確立されたのである.
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