Japanese
English
特集 呼吸器診療のリスク管理
在宅医療に伴うリスク管理
Risk Management of Home-bound Care in Patients with Chronic Respiratory Failure
岩永 知秋
1
,
平原 奈奈
1
,
棚橋 徳成
1
,
石松 明子
1
,
金子 靖子
1
,
古森 雅志
1
,
吉田 誠
1
,
野上 裕子
1
,
麻生 博史
1
,
中野 博
1
Tomoaki Iwanaga
1
,
Nana Hirahara
1
,
Tokusei Tanahashi
1
,
Akiko Ishimatsu
1
,
Yasuko Kaneko
1
,
Masashi Komori
1
,
Makoto Yoshida
1
,
Hiroko Nogami
1
,
Hiroshi Aso
1
,
Hiroshi Nakano
1
1国立病院機構福岡病院呼吸器科
1Department of Respiratory Medicine, National Hospital Organization Fukuoka Hospital
pp.791-796
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101525
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医療行為とそれに伴うリスク
すべての医療行為には程度の差はあれ,不確実性が内在することは否めない事実である.医療行為とは,ある医療上の目的を持って種々の環境下で種々の医療器具,医療機器を用いて,種々の医療関係者が種々の患者に対して行う行為である.医療行為を行う条件や環境設備,対象などが異なることから,同一の医療行為を施行しても常に同じ結果が得られる保証はない.また,副作用や合併症に関してもそれらが生じる確率は個々の例によって変わってくる.後者を「リスク」という言葉に置き換えるならば,医療行為を行ううえでリスクの発生確率は異なるものの,それらが最小限に抑えられなければならないのは医療において当然のことである.そのためには生じうるリスクを予め想定し,それに対する予防策と,その事態が生じた際の対処法を予め検討しておくことが必須であり,これがいわゆるリスク管理と呼ばれるものとなる.想定されるリスクは定性的にはリスクの種類により分類され,定量的にはそれが起こる頻度とそれが患者に及ぼす影響度が重要因子となる.リスク管理のマニュアルはこのような諸点を勘案して作成されるべきものである.
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