Japanese
English
連載 プライマリ・ケアのための呼吸・循環器診療⑤
呼吸器疾患の問診のポイント―自覚症状
Diagnostic Approach for Cardiovascular and Respiratory Diseases in Primary Care(5)-Symptom
岩永 知秋
1
,
相澤 久道
2
Tomoaki Iwanaga
1
,
Hisamichi Aizawa
2
1国立病院機構福岡東医療センター呼吸器内科
2久留米大学医学部内科学講座
1Department of Clinical Respiratory Medicine, NHO Fukuoka-higashi Medical Center
2First Department of Internal Medicine, Kurume University School of Medicine
pp.875-880
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100443
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問診は診断への入り口であることは言うまでもないが,特にプライマリ・ケアでは自覚症状の問診が重要となる.プライマリ・ケアにおいては限られた手法で診療を行わなければならず,そのためには患者の訴えの比重が専門施設よりも大きい.また,患者は訴えに対する処置を求めてプライマリ・ケアを受診することが多く,それに対する回答を出してやる必要がある.当然のことながら,通常は身体所見,諸検査を併せて診療していくことになるが,専門医への紹介が必要か,また迅速性が要求されているかなどの判断が大切である.そのような判断のためには問診が大きな役割を果たす.
呼吸器疾患の症状には咳嗽や喀痰など比較的臓器特異的なものと,胸痛のごとく他臓器の症状と重畳するものとがある.また,鼻腔,副鼻腔,咽頭・喉頭など上気道症状を伴う場合も少なくない.さらに,他疾患の部分症状として呼吸器症状を呈する場合や,呼吸器疾患でも全身症状や肺外症状を伴う場合も少なくないので,必ず総体的に捉える姿勢が肝要である.また,場合によっては,患者だけでなく家族に確認することも必要である.
ここでは呼吸器症状のうち代表的な咳嗽,喀痰,喀血・血痰,呼吸困難,胸痛,喘鳴などを取り上げる.
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