Japanese
English
Current Opinion
LAMAの位置づけ(喘息治療薬としてのLAMAについて)
Role of LAMA(LAMA as the medicine for bronchial asthma)
野上 裕子
1
Hiroko Nogami
1
1国立病院機構福岡病院呼吸器科
1Department of Respiratory Disease, National Hospital Organization Fukuoka National Hospital
pp.956-961
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102325
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長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の概要
[1] 抗コリン薬開発の歴史
ベラドンナ植物のエキスから採取されたアトロピンやスコポラミンは,インドでは数千年以前から呼吸症状や気管支攣縮を治療するために使用されていたが,19世紀初めに西洋医学で用いられるようになった.その後,重症喘息発作の治療薬として使用されていたことが報告されている1).アトロピンの吸入や全身投与は,このように喘息の治療として用いられるようになったが,20世紀になってエピネフリンやエフェドリンが登場するとその使用は減少していった.抗コリン薬が再び使用されるようになったのは,オキシトロピウムやイプラトロピウムなど,ムスカリン受容体において選択性の強い薬剤が開発されてからである.近年では,チオトロピウムに加え,臭化グリコピロニウムやアクリディニウムなど,長時間作用性の吸入抗コリン薬(LAMA)が開発され,使用されるようになっている.現在吸入抗コリン薬は主として慢性閉塞性肺疾患(COPD)の安定期治療薬として使用されている.
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