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特集 循環器疾患のリスク管理
検査に伴うリスク管理
The Risk Management of Exercise Stress Testing, Cardiac Catheterization, Computed Tomography, and Cardiovascular Magnetic Resonance
野口 輝夫
1
,
後藤 葉一
1
Teruo Noguchi
1
,
Yoichi Goto
1
1国立循環器病センター心臓血管内科
1Department of Cardiology, National Cardiovascular Center
pp.119-128
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100973
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はじめに
循環器分野に限らず,検査は依頼する側(医師)と実施する側(医師・検査技師)に分けられる.また,大きな施設で顕著であるが,検査を依頼した医師と検査の担当者が異なる場合や,依頼した時期と実施時期に時間的な差が出てくることがある.このため,検査担当者が,患者の病歴やその他の検査所見に関する情報を依頼者と共有できていない場合や,検査依頼から実施するまでに患者の病態が変化している場合も稀ではない.よって,検査に伴うリスク管理で重要なことは,検査依頼者と検査担当者が当該検査の禁忌事項を認識し,リスク・ベネフィットを共有することである.特に心疾患に対して行われる検査は侵襲的なものが多いため,検査担当側も「医師,または上級医より依頼(命令)されたので,特に禁忌事項などをチェックせずに漫然と施行した」ということは厳に避けなければいけない.要するに,検査実施にあたって依頼側と実施側が常に検査に伴うリスクを二重チェックする体制を構築することである.
本稿では,運動負荷検査,心臓カテーテル検査,CT・MRIなどの画像診断における禁忌や留意点を示し,各検査に特有の合併症とその対処法を述べていきたい.
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