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特集 呼吸器診療のリスク管理
院内感染のリスク管理
Risk Management of Hospital-acquired Infection
佐藤 隆司
1
,
東田 有智
1
Ryuji Sato
1
,
Yuji Tohda
1
1近畿大学医学部呼吸器アレルギー内科
1Department of Respiratory Medicine and Allergology, Kinki University School of Medicine
pp.797-804
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101526
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はじめに
昨今のMRSAや多剤耐性緑膿菌,セラチアなどによる院内感染事例の報道,さらに2009年5月以降の新型インフルエンザ(H1N1pdm)国内流行に伴い,院内感染に対する社会の関心は高い.医療機関には入院,外来を問わず,感染性疾患の症例も重篤な基礎疾患を持った症例も受診する.そして,院内環境は感染者と易感染性患者が混在することで,感染性疾患の伝播が生じる可能性が一般社会よりも格段に高い.また,強力な抗菌薬が投与されることから薬剤耐性菌の発生やその感染リスクも伴う環境でもある.現在,院内感染防止対策は病院機能評価においても「患者が安全に医療を受ける権利を守るべく病院が担う責務」と捉えられており,重点評価項目である.また,2010年4月の診療報酬改定より,感染防止対策加算が実施されており,感染対策チームによる院内感染防止対策活動の重要性が評価されてきている.
本稿では,回避可能なリスクの管理としての院内感染防止対策について概説する.
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