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連載 プライマリ・ケアのための呼吸・循環器診療(6)
呼吸器疾患の問診のポイント―社会歴,家族歴,既往歴
Diagnostic Approach for Cardiovascular and Respiratory Diseases in Primary Care(6)-Social history,family history,past history
枝國 信貴
1
,
岩永 知秋
2
,
相澤 久道
1
Nobutaka Edakuni
1
,
Tomoaki Iwanaga
2
,
Hisamichi Aizawa
1
1久留米大学医学部内科学講座呼吸器・神経内科
2国立病院機構福岡東医療センター呼吸器内科
1First Department of Medicine, Kurume University School of Medicine
2Department of Clinical Respiratory Medicine, NHO Fukuoka-higashi Medical Center
pp.1001-1006
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100460
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呼吸器系は外界と交通しており,様々な物質の曝露による影響を直接に受けやすい臓器である.したがって,呼吸器系疾患の問診では自覚症状はもとより,患者の外部環境を把握することが重要である.そのような観点から,喫煙,職業,趣味・ペット飼育,住環境,薬物や食事などの詳細な問診が診断の役に立つことが多く,自覚症状と併せ今回取り上げる社会歴・家族歴,既往歴・合併症の聴取が大切である.
特に喫煙は気道・肺胞系に直接的にもたらされる最も頻度の高い障害であることから,とりわけその曝露歴には十分に注意する.また,呼吸器系は種々の感染症病原体の門戸であり,呼吸器感染症における起因菌の早期同定と迅速な治療導入のために,感染リスクに関する詳細な問診と,普段から感染情報を入手しておくことが重要である.また,呼吸器系は種々のアレルギー病態が発現する重要な場の一つであり,内部環境としてのアレルギー要因の検索も欠かすことができない.
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