Japanese
English
特集 COPDの併存症・合併症
COPDと消化器疾患(GERDを含む)
Digestive Disease(including GERD) in COPD
川山 智隆
1
,
関塚 友美
1
,
伊藤 光佑
1
,
田尻 守拡
1
,
松永 和子
1
,
石井 秀宣
1
,
相澤 久道
1
Tomotaka Kawayama
1
,
Tomomi Sekizuka
1
,
Kosuke Ito
1
,
Morihiro Tajiri
1
,
Kazuko Matsunaga
1
,
Hidenobu Ishii
1
,
Hisamich Aizawa
1
1久留米大学医学部内科学講座呼吸器・神経・膠原病内科部門
1Division of Respirology, Neurology and Rheumatology, Department of Medicine, Kurume University School of Medicine
pp.143-149
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101419
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はじめに
はじめに,COPDにおける消化器疾患の併存症を考えるうえで,COPDの病因との関連で整理する必要がある.COPDの原因は喫煙である.つまり,喫煙に関連した消化器疾患の頻度が増加する.また,COPDは加齢とともに有病率が増加するため,加齢が重要な因子になる.さらに,COPDは慢性的な低肺機能に伴い継続的な活動力低下,呼吸困難や低酸素血症が認められる.これらの低肺機能によって併発する消化器合併症あるいは肺機能の改善を目的とした薬物療法に伴う消化器系有害事象も考慮する必要がある.近年,COPDは単なる呼吸器疾患ではなく,全身炎症性疾患としての概念が定着しつつある1,2).この全身炎症が食欲低下や栄養障害の増悪因子にもなっている1~4).COPDの存在下での消化器疾患に対する開腹手術や内視鏡検査や治療が困難であったり,消化器系併存症がCOPDの管理に影響を及ぼすこともある.
本稿では,喫煙,加齢,全身炎症および薬剤の視点からCOPDと消化器疾患の併存を述べるとともに,最近注目されている胃食道逆流,あるいは逆流性食道炎(gastroesophageal reflux disease;GERDまたはgastro-oesophageal reflux disease;GORD,本稿ではGERDを用いる)について解説する.
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