Japanese
English
特集 COPDの併存症・合併症
COPDと内分泌関連疾患(体重減少・糖尿病・骨粗鬆症)
Endocrine Associated Disease(Body Weight Loss,Diabetes Mellitus,and Osteoporosis)
小川 惠美子
1
Emiko Ogawa
1
1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Graduate School of Medicine, Kyoto University
pp.151-157
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101420
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はじめに
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の危険因子は喫煙であり,中高年で発症する疾患であるため,喫煙や加齢と関連した併存症,合併症が多く認められる.一方,COPDは肺の病変にとどまらず,全身性炎症に代表される肺外病変と関連する全身性疾患であるという概念から,COPDと併存症・合併症は,疫学調査や病態の関連,治療について研究が進められてきた.しかしながら,喫煙,加齢といった要因に加えて,多くの薬剤が投与されていることが多いことや,これら併存症・合併症が適切に診断加療されていないことが,COPDとそれら疾患の病態の関連を複雑にし,その関連が未だ明らかにされていないのが現状である.
COPD患者においては,喫煙や全身性炎症に伴う血中サイトカインの上昇などが,内分泌環境にも影響することが知られており,代謝内分泌疾患との関連が示唆されている.
本稿では,そのなかでも特にCOPDのQOLや予後との関連が示唆されている体重減少や糖尿病,骨粗鬆症について,過去の報告を中心にわれわれの知見を交えて解説する.
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