増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅲ章 術式別の術前・術中・術後管理
食道
食道裂孔ヘルニア(GERDを含む)
秋元 俊亮
1
,
矢野 文章
1
,
三森 教雄
1
Shunsuke AKIMOTO
1
1東京慈恵会医科大学附属病院外科学講座上部消化管外科
pp.112-114
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212674
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食道裂孔ヘルニア(胃食道逆流症:GERDを含む)は,上部消化管内視鏡検査数の増加や高齢化などによって,軽症例を含めると比較的頻繁に診断されるようになった.また,内視鏡外科手術に関するアンケート調査によると,胃食道逆流症手術は本邦で2010年に167件,2015年に286件,2017年に358件と年々増加している1).
教室では,食道裂孔ヘルニアに対して腹腔鏡アプローチにて胃の腹腔内への還納,裂孔縫縮,逆流防止処置としてToupet噴門形成術を基本術式としている.噴門形成術にはNissen法もあるが,術後つかえ感の発現率がToupet法より有意に高いと報告されている2).①3 cm以上の滑脱型ヘルニア,傍食道型もしくは混合型ヘルニア,②75歳以上,③BMI 28 kg/m2以上の症例に対してメッシュ補強を追加している.さらに,混合型もしくは傍食道型ヘルニア症例には胃壁と腹壁の固定を3〜4針行っている.
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