Japanese
English
綜説
プロレニンと(プロ)レニン受容体
Prorenin and (Pro)Renin Receptor
市原 淳弘
1
,
伊藤 裕
2
Atsuhiro Ichihara
1
,
Hiroshi Itoh
2
1慶應義塾大学医学部抗加齢内分泌学講座
2慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科
1Endocrinology & Anti-aging Medicine and Department of Internal Medicine, Keio University School of Medicine
2Division of Endocrinology, Metabolism and Nephrology, Department of Internal Medicine, Keio University School of Medicine
pp.175-182
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100981
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はじめに
1898年,Tigerstedtらによってウサギ腎臓よりレニンが発見されて以来,レニン・アンジオテンシン系(RAS)の研究が活発に行われ,種々の病態においてRASが中心的な役割を果たすことが明らかになっただけでなく,様々な他の内分泌系とクロストークすることが明らかになってきた.時代は流れRAS研究の興味の焦点は,レニンからアンジオテンシン変換酵素(ACE),さらにアンジオテンシン受容体へとRASの下流へと移っていったが,近年,温故知新とも言うべき(プロ)レニン受容体の発見により,再度プロレニン/レニンが注目され,RASに新たなカスケードが加わった.
本稿では,臓器障害と密接に関係する組織RASにおけるプロレニンと(プロ)レニン受容体の重要な役割から,現在利用可能な(プロ)レニン受容体ブロッカーの有効性と限界,さらには(プロ)レニン受容体の発現調節と遺伝子改変モデル動物について解説する.
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