増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
内分泌学的検査
その他のホルモン
レニン
内田 健三
1
1金沢医科大学内分泌内科
pp.488-489
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906438
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異常の出るメカニズムと臨床的意義
血中のレニンは直接測定できないので,試験管内で血漿中のレニンとレニン基質を反応させ,生成されたアンジオテンシンIをラジオイムノアッセイにより測定し,血漿レニン活性として表している.レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系はフィードバック機構を形成し,血圧,体液のホメオスターシスを維持している.レニン分泌に異常が起これば,アルドステロン分泌,血圧,Na-K代謝,体液の異常をきたし,逆に血圧,Na-K代謝,体液の異常はレニンおよびアルドステロン分泌に影響を与える.したがって,血漿レニン活性はアルドステロンと同時に測定する場合が多い.腎および腎血管の虚血性病変では血漿レニン活性の増加を伴って高血圧をきたし,糖尿病などの腎実質病変では血漿レニン活性が減少し,低アルドステロン症をきたす.副腎原発の鉱質コルチコイド増加(低下)症では,低(高)カリウム血症,高(低)血圧を伴って,血漿レニン活性は低下(増加)する.水-Na貯留による体液量増大(減少)では,血漿レニン活性は減少(増加)する.常用薬の降圧薬,ピル,鎮痛剤などはレニン分泌に影響を与える.
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