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特集 間質性肺炎の病態と治療
薬剤性肺障害の現状と問題点
The Present Features and Problems of Drug-induced Lung Injury
吾妻 安良太
1
Arata Azuma
1
1日本医科大学呼吸器感染腫瘍内科
1Department of Respiratory Medicine, Nippon Medical School
pp.1071-1075
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100468
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近年の動向
新薬開発の成果は近年著しく,前臨床試験のエビデンスに基づいて次々と開発される薬剤は難治疾患分野からの期待も厚く,市場参入も途切れることがない.10年ほど前まで薬効も漠然としているかわりに,それほど重篤な副作用も目立たなかった時代に比べると,昨今の薬剤は分子標的薬に代表されるように作用起点が明確で,効果発現も鋭敏である一方,重篤な副作用も増えてきた.
呼吸器系の副作用に注目すると,抗癌剤に集中していた10年前に比べて,多種多様な薬剤が肺障害を惹起する起因薬剤になり得ると理解できる(表1)1).その多くは外資系製薬企業が開発した医薬品で,すでに有効性・安全性が確立された医薬品としてわが国にも導入されている.一方,医薬品の質のみならず,社会や医療現場の関心も以前に比べて高まっている.以上複数の要因が薬剤性肺障害の頻度を高めているものと推測される.
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