Japanese
English
特集 慢性期脳卒中のリハビリテーション―現状と問題点
就労の現状と問題点
State and problem of work for the person with a stroke.
渡邊 崇子
1
Takako Watanabe
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
1Yokohama Rehabilitation Center
キーワード:
職業リハビリテーション
,
高次脳機能障害
,
復職
,
職務再設計
Keyword:
職業リハビリテーション
,
高次脳機能障害
,
復職
,
職務再設計
pp.811-816
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109850
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はじめに
横浜市総合リハビリテーションセンター職能開発係は,同センターの職業リハビリテーション部門として位置付けられており,中途障害者だけでなく,その他の身体障害者,知的障害者の就労援助も行っている.組織的には,「身体障害者福祉法」に規定された法定施設の「身体障害者通所授産施設」と,法規定をもたない法外施設の「職能訓練コース」の2施設で構成されている.職能訓練コースは法外施設のため,身体障害者手帳制度に該当しない高次脳機能障害者などの受け入れも可能となっている.
主な援助内容は,福祉的就労を含む何らかの就労に向けた相談・評価,訓練である.ただし,雇用へ向けた一方向への援助だけではなく,企業を退職し福祉的就労へ移行するための援助も行っている.つまり,双方向の職業リハビリテーション1,2)である.このため,利用者は必ずしも軽度の障害者ばかりでなく,職業上かなり重度の障害者も混在している.訓練内容は,特定の職業に就くことを目指した専門技能の習得ではなく,広く職業に就くために必要な,より基本的で一般的な準備をするための訓練,すなわち“職業前訓練”である.
本稿では,当係で援助した脳卒中者に関する後方視的調査の結果を基に,脳卒中者の就労の現状と問題点について報告する.
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