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特集 不整脈非薬物療法の現況と5年後の展望
心臓再同期療法(CRT)とCRT-D
Cardiac Resynchronization Therapy(CRT) and CRT with Defibrillator
松田 直樹
1
Naoki Matsuda
1
1東京女子医科大学循環器内科
1Department of Cardiology, Tokyo Women's Medical University
pp.41-49
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100219
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はじめに
慢性心不全患者の20%以上に認める心室内伝導障害は,心室の非協調的,非効率的収縮様式をもたらし,心不全の悪化要因,予後規定因子となる.1990年代前半,この心室同期不全を是正する目的で両室ペーシング法が考案された.その高い有効性から,本法は“心臓再同期療法(CRT)”の名で急速に普及し,瞬く間に重症心不全治療に不可欠な選択肢のひとつとして確立された.その適応決定にあたってはQRS幅からの患者選択の限界が指摘され,エコーによる心室同期不全の直接評価の重要性が指摘されている.一方,心不全患者では死亡原因の約4割を突然死が占めることから,植込み型除細動器(ICD)機能が付加されたCRT-Dが開発され,現在CRTデバイスの主流となっている.しかし,ICD,CRT,CRT-Dの適応はいまだ流動的である.
本稿では,CRTならびにCRT-Dの現況を概説するとともに,さらなる進化を遂げるCRTデバイスの5年後を展望したい.
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