今月の主題 一般内科医が診る循環器疾患―3大病態を把握する
心不全のマネジメント
いつペーシングによる心臓再同期療法(CRT)を開始するか,いつICD付きCRTを勧めるか
松田 直樹
1
1東京女子医科大学循環器内科
pp.706-710
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103316
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ポイント
●心室内伝導障害に伴う心室同期不全を是正する治療が,心臓再同期療法(CRT)である.
●CRTの基本的な適応は,QRS幅130msec以上,左室駆出率35%以下のNYHAクラスⅢないしⅣ症例である.
●十分な薬物治療を行っても心不全が重症化してきたら,早期にCRTを考慮すべきである.
●QRS幅が広くても,心室同期不全が軽度の例や左室自由壁に大きな梗塞巣がある例は,CRTの有効率が低い.
●心不全患者の予後改善には,心不全対策に加え突然死対策が重要である.
●突然死予知が困難な現状では,致死性不整脈の既往のない症例にもCRT-Dの植込みが広く行われている.
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