特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
a.検査・治療手技用語
スライディングチューブ(sliding tube)
小林 広幸
1
,
渕上 忠彦
1
1松山赤十字病院消化器科
pp.308
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103982
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スライディングチューブは大腸ファイバースコープの深部挿入時に生じる腸管のループを直線化するため,牧石ら1)により考案された補助用具である.主に大腸内視鏡検査時のS状結腸に生じるループの直線化に用いられるが,プッシュ式小腸内視鏡検査時の胃内のループ形成防止にも使用される(Fig.1).
従来は2人操作法による有効長の長い大腸ファイバースコープ(170cm)を使用することが多かったため,スライディングチューブも有効長の長いもの(40cm前後;olympus ST-C3,C6)が使用されていたが,近年では1人操作法による中間尺のファイバースコープ(130cm)の普及に伴い.短いもの(30cm前後;olympus ST-C7,C3S)が用いられてきている.また,1人操作やスコープの有効長に適するよう独自に改良を加えた多田らの分割式チューブ,組立式チューブ,丹羽らの着脱式チューブ,岡本らのミニチューブ(25cm前後)などの試作品も考案されている2).
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