胃と腸ノート
1人操作法による total colonoscopy―ミニスライディングチューブの試作
岡本 平次
1
1昭和大学藤が丘病院内科
pp.564
発行日 1986年5月25日
Published Date 1986/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110317
- 有料閲覧
- 文献概要
本誌にShinya式大腸ファイバースコープ(1)(2)(3)と題し各種手技を紹介,解説して既に3年経過した1)~3).筆者も3年6か月間で約4,200回のtotal colonoscopy(以下T-CFと略)を経験している.最近の盲腸挿入率は98%,平均到達時間5分40秒である.T-CFは更に広くルーチン化されてよい検査である4).ルーチン化の一環として,筆者はミニスライディングチューブ(以下ミニチューブと略)を使用しており,大変有用であるので,その使用法などを紹介しておきたい.目的はS状結腸におけるスコープのたるみ,再ループ化の防止である.このミニチューブは有効長21cmと26cmの2種類があり,内径15mm,外径18.5mmと市販のスライディングチューブに比し約20cmも短く,細径であるのが特徴である(Fig. 1).あらかじめ中間長スコープに装着しておく.脾彎曲部に達しスコープを直線化した後,ミニチューブを挿入する.X線透視下での操作が安全であるが,挿入手技に熟達すると無透視下でも可能である.その先端は多くの場合SD junctionに位置する(Fig. 2).
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.