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書評「内科医の薬100―Minimum Requirement 第2版」
日比 紀文
1
1慶應義塾大学医学部内科
pp.1374
発行日 1998年9月25日
Published Date 1998/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103825
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内科医として診療を始めてから約25年になったが,研修医時代から薬の名前を覚えることに苦しんできた.特に最近は記憶力の低下が著しく,新しい薬の名前が出てこない.同じ悩みを持つ内科医はたくさんいると思うが,その人たちにとってこの書「内科医の薬100-Minimum Requirement第2版」は福音である.薬の新旧で選ぶのでなく,内科医が日常診療に本当に必要な薬100を厳選し,かつその内容は病態に応じた使い方を具体的に示してくれ,かつ使用する際の注意点が懇切丁寧に書かれている.世に普及しているいくつかの治療薬集は,薬を羅列し,用量・用法・副作用を漠然と述べているものが多いが,本書は内科医として知っておくべきことに重点を置き,一切のむだを省いて書かれている実用の書と言える。
編集および執筆を担当された方々はいずれも一線で活躍中の臨床医であり,診療で気づいた注意すべき点が多く記述されている点がありがたい.特に,若い研修医には当直や救急の場で常に携帯しすぐに検討できるよう小さく軽い書に仕上がっている.もちろん,熟練した医師にも,特に専門外の疾患に対する治療薬の選択にも非常に簡便となっているアイディアの書と言える.
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