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書評「内科医の薬 100-Minimum Requirement」
大塚 洋久
1
1東海大学医学部
pp.364
発行日 1995年2月26日
Published Date 1995/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105352
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一般的な内科診療で頻繁に参照される医書は,おそらく薬剤に関するマニュアルである.大病院で専門領域の患者中心の診療を行う医師も,専門外の合併症に簡単な治療を施す機会は多い.ふだんは使わない薬剤の常用量や禁忌を調べるため,薬品集は臨床現場の必需品である.不便なことに薬品集は,処方すべき薬剤名を思いつかないときの助けにはならない.適切な薬剤が思い浮かばないために,無用の他科依頼を出し,診療の能率を低下させることは望ましくない.
以上の見地からすると,本書の着想は適切なものと思う.種類は限られているが,日常診療の相当範囲をカバーするに足りる薬剤が収録されている.特筆に値するのは索引である.わかりやすい目次と二重の索引によって,薬剤名と疾患・病態の両面から検索できるようにしてある.安易な対症療法に陥らぬよう心して用いる限り,真に有用な内科診療のツールである.
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