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書評「内科医の薬100―Minimum Requirement 第2版」
松村 理司
1
1市立舞鶴市民病院
pp.662
発行日 1999年4月25日
Published Date 1999/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103041
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地域病院で一般内科の診療と教育に明け暮れている筆者にとっては,実地臨床にぴたりと役立つ本や雑誌を繙く時間は至福と言える.ところが,この種の“よい本”には最近でもなかなかお日にかかれない.医学書や雑誌の出版量自体は年々増えているように見えるのに,である.診断(特に画像診断)に関する“よい本”はまだしも存在する.しかし,治療に関する“よい本”となるととんと少なくなるのだ.薬に関する“よい本”も例外ではない.例えば肺炎の抗生剤選択について,“感受性のあるものを適当量”とか“AまたはBまたはCまたはDまたは…”としか書かれてない本は,“よい本”とは言えまい.
この本は“よい本”だ.“よい薬”についてのとても“よい本”だ.内科の“よい薬”を100種類に絞り込んだコンセプトのすばらしさは,この第2版でももちろん継承されている.4年半の間の“進歩”は汲まれてはいるが,いたずらに“新しい薬”に目移りしているわけではない.文字どおり自家薬籠中の“よい薬”ばかりが取り上げられているのは,秀でた臨床医ならではのセンスである.今回も編集に当たられた北原光夫・上野文昭両先生の見識と指導力の賜物でもあろう.
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