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チョコレート茶褐色顔貌
松村 理司
1
1市立舞鶴市民病院内科
pp.10
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908927
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40歳の女性である.20歳で胃悪性リンパ腫に対して胃全摘・脾摘術を受けている.30歳代にオピオイド系鎮痛薬の依存症に罹っている.喫煙は20本/日.4回の結婚歴があり,現在は内縁関係にある.家族歴もかなり複雑.
さて,38歳で重症筋無力症を発症しているが,診断はその1年2ヵ月後であった.外来は来ず,薬は服用せず,仕事(ホステス業・家事など)は忙しすぎるわで,5ヵ月前に筋無力症性クリーゼを起こし,人工呼吸器に乗ったまま,抜管することなく胸腺摘出術を受けている.血漿吸着療法も行い,経過良好で3週間後には退院したが,1ヵ月で再増悪をきたし,再入院.その後はプレドニゾロン30mg/日とメスチノン®(ピリドスチグミン)180mg/日で,原因不明の腹痛以外は経過順調だったが,1週間前の外出時より息切れが出現するようになった.爪の色が黒いとも言う.息切れと口唇・手指のチアノーゼはさらに増強.内服薬は,上記以外に,アルサルミン®・フェロミア®・セルシン®・デプロメール®・バクタ®である.
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