column
フランスの薬屋さん
岡田 正人
1
1American Hospital of Paris
pp.13
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908929
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フランスは完全医薬分業制度なので,患者さんは開業医や病院でもらった処方箋を持って自宅の近くの薬局に行くことになる.24時間薬局,配達してくれる薬局など,個性的なものも沢山そろっているのもうれしい.稀に在庫が切れていても,1日に数回の配達により半日以内に取り寄せてくれるが,それが待てない場合は2〜30メートル歩けば隣の薬局があるという便利さである.
すべて製薬会社から適当な量に分けられた箱単位でそのまま売られるので,キャラメルを買うような気軽さで待ち時間もスーパーのレジ以下になる.子どもの抗生物質なども,アメリカでは薬剤師がシリンダーで水の量を測りながら仰々しく作っていたが,フランスでは粉の入ったビンの線まで水を入れてよく振って作ってくださいと言われ,ちゃんと図入りの作り方説明書と体重分の1回量を測るスポイトが入っている.箱には大きく商品名が印刷されており,万が一薬剤師が間違えても,患者さんには一目瞭然であり事故も起こりにくい.
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