講座
患者の観察—患児の顔貌
𠮷松 駿一
1
1東京共済病院
pp.31-34
発行日 1956年11月15日
Published Date 1956/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910233
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
小児特に乳幼児では口をきく事が出来ないから自分の感情を口で訴える事が出来ない。従ら小児の看護に当つてはその印象から肉体的及び精神的の訴えを知る事が必要である。即ち患児の印象に依つて診察する方向が定まり最も有意義な検査に取掛る事も出来る。一目で診断する事も出来る。患児の表情を観察して診断の助けにする事は小児を多数取扱う人でないとあまり役に立たないが患児の状態を直ちに読み取つて之等の状態の示す事態を理解する事は直ちに正確に診断が考えつくし療法及び予後の見通しに非常に役に立つ。之丈でなく細かい検査,診断の方法に於て充分な事をしる事が出来るし最も有効な検査を直ちに行う判断も付くのである。患児の身体的及び精神的の状態を判断すると云う事が患児の印象の中で大切な事柄である。この様に患児の状態を査定するには顔貌に重きを置かれるが尚其他生理的の発育活動性,感情,態度等からも判断される。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.