今月の主題 レディースクリニック
女性と消化器疾患
原発性胆汁性肝硬変(PBC)
渋谷 明隆
1
,
中沢 貴秀
1
,
西元寺 克禮
1
1北里大学医学部内科
pp.1722-1725
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905276
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●原発性胆汁性肝硬変(PBC)の約90%が女性である.皮膚掻痒感,黄疸を特徴とするが,無症候性のほうが多い.
●無症候性PBCの予後は良好であるが,約20%は症候性に進展する.
●女性の胆汁うっ滞では必ずPBCを鑑別する.診断のポイントは胆道系酵素の上昇,IgMの上昇である.女性でこれらの所見を呈する症例では抗ミトコンドリア抗体(AMA)を検査する.
●肝生検は診断・病期の確定に重要であるが,時にsampling errorがある.
●治療にはウルソデオキシコール酸(UDCA)が有効であるが,進展した肝硬変例では肝移植が必要になる.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.