PSCとPBC-診断と治療の進歩
原発性胆汁性肝硬変(PBC) PBC発生機序に関する最近の話題
阿部 和道
1
,
高橋 敦史
,
大平 弘正
1福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科学講座
キーワード:
自食作用
,
NK細胞
,
肝硬変-胆汁性
,
自然免疫
,
細胞老化
,
遺伝的素因(疾患)
,
Toll-Like Receptors
,
獲得免疫
Keyword:
Autophagy
,
Killer Cells, Natural
,
Immunity, Innate
,
Liver Cirrhosis, Biliary
,
Cell Aging
,
Genetic Predisposition to Disease
,
Toll-Like Receptors
,
Adaptive Immunity
pp.1493-1499
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015007622
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原発性胆汁性肝硬変(PBC)は,小葉間胆管の破壊をきたす慢性非化膿性破壊性胆管炎に特徴づけられる.PBCの病因には,遺伝・環境的要因に自己免疫学的機序,細胞老化が関与し発症すると考えられている.最近ではGWASにより,日本人PBCの発症に関わる新規疾患感受性遺伝子としてTNFSF15とPOU2AF1が同定された.また,免疫学的要因として,胆管上皮細胞にはToll様受容体(TLR)の発現が認められ,胆管上皮細胞からTLR3やTLR4リガンドの刺激によりTh1にシフトするケモカイン産生と炎症細胞浸潤が起こり,活性化されたNK細胞が胆管上皮細胞を破壊する機序や自己反応性T細胞およびB細胞が存在し,AMAの出現や胆管上皮細胞破壊に関与することが報告されている.最近の知見により,PBCの発症機序が徐々に解明されつつある.
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