PSCとPBC-診断と治療の進歩
原発性胆汁性肝硬変(PBC) PBCに対する肝移植治療
石崎 陽一
1
,
川崎 誠治
1順天堂大学 医学部肝胆膵外科
キーワード:
肝硬変-胆汁性
,
肝臓移植
,
骨粗鬆症
,
再発
,
ドナー
,
脳死
,
治療成績
,
リビングドナー
Keyword:
Brain Death
,
Liver Cirrhosis, Biliary
,
Osteoporosis
,
Recurrence
,
Tissue Donors
,
Liver Transplantation
,
Treatment Outcome
,
Living Donors
pp.1507-1513
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015007624
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ウルソデオキシコール酸(UDCA)は初期の原発性胆汁性肝硬変(PBC)の病状進行を抑制するとされるが,非代償性の胆汁うっ滞性肝硬変へ進行したPBCに対しては肝移植が唯一の有効な治療法である.手術適応の決定にはChild-Pugh分類,MELDスコアのほか,Mayo Clinicのリスクスコア,日本肝移植研究会の予想死亡率が参考になる.その他,食道静脈瘤の破裂,特発性細菌性腹膜炎,高度の全身倦怠感やそう痒感,脊椎の圧迫骨折による疼痛などの臨床所見も移植適応を決めるうえで重要なファクターとなる.治療成績は良好で米国,欧州,日本,いずれの成績も1年生存率80%以上,5年生存率75%以上,10年生存率70%以上である.肝移植後に9~35%の頻度でグラフトに病理学的にPBCの再発が認められるが,その予後に関しては未だ不明な点が多く,今後の症例の蓄積が必要である.
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