今月の主題 レディースクリニック
妊娠中にみられる問題
妊娠と肝疾患
中園 光一
1
,
藤山 重俊
1
1熊本大学医学部第3内科
pp.1671-1673
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905260
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●妊娠経過中の肝障害は,妊娠に特異的な疾患,偶発的疾患および以前よりある疾患に分けられる.
●妊娠に特異的な疾患としては,妊娠性脂肪肝や妊娠性肝内胆汁うっ滞などがある.それぞれ母体や胎児に及ぼす影響と予後が異なり,早期の診断が重要である.
●偶発的疾患としては,ウイルス性急性肝炎がもっとも多く,薬剤性肝障害や胆石症などもある.ウイルス性急性肝炎の多くは一過性の症状を示すが,稀に重症化・劇症化することがあるため,注意が必要である.
●妊娠前から存在する肝疾患としてはウイルス性慢性肝炎が多い.出産に際しては垂直感染の予防が必要であり,出産後も児への感染に注意を払うべきである.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.