今月の主題 レディースクリニック
妊娠中にみられる問題
妊娠と感染症
青木 泰子
1
1筑波大学臨床医学系内科
pp.1668-1670
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905259
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ポイント
●女性の尿路感染症の治療にあたっては,妊婦では無症候性細菌尿を含む尿路感染症の頻度が高いことを考慮すべきである.
●胎児に感染し,児に重篤な障害をきたす危険のある疾患としてTORCH症候群が挙げられるが,これらの疾患は不顕性感染が多く,血清抗体価の解釈に注意を要する.
●HIV(ヒト免疫不全ウイルス)キャリアから児への感染率は約1/3である.HBV(B型肝炎ウイルス)はワクチンとHBIG(B型肝炎免疫グロブリン)の投与により,ATLV(成人T細胞白血病ウイルス)は授乳の禁止で感染が防止できる.
●最近,若年者の結核がやや増加しており,妊婦でも診断の遅れをきたさないよう注意すべきである.
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