実地臨床手技のエッセンス 妊娠に合併する難症のとり扱い--他科よりのアドバイス
妊娠と肝・胆道疾患
亀田 治男
1
,
清水 肇
1
,
中西 弘和
1
Haruo Kameda
1
1東京慈恵会医科大学第1内科学教室
pp.867-870
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206129
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婦人が妊娠した場合には,胎児の急速な発育,母体の積極的な物質交換と分解により,肝の代謝機能に影響をあたえると考えられる。しかし,肝の予備能は大きく,正常の妊娠時には肝機能や肝組織に変化がみられても,軽度である。一方,妊娠中に肝疾患や黄疸が合併したり,妊娠前よりすでに肝・胆道疾患がある場合には診断と治療に種種の問題が起こりうる。ここでは,妊娠に合併して重篤となりやすい肝・胆道疾患について病態と診断・治療の方針を記載する。さらに,最近はB型肝炎抗原キャリアの妊婦からの母児感染が重要視されているので,この問題についても触れておきたい。
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