今月の主題 糖尿病臨床の最先端
トピックス—糖尿病発症関連遺伝子の解析
グルコキナーゼ遺伝子異常—グルコキナーゼ欠損マウスを含めて
寺内 康夫
1
,
門脇 孝
1
1東京大学医学部第3内科
pp.324-326
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904964
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●若年発症インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)とグルコキナーゼ(GK)遺伝子座との連鎖が報告されて以来,GK遺伝子異常症が報告されるに至った.
●GK遺伝子異常症では若年発症が多く,一見正常でも負荷試験では若年から耐糖能異常を呈する.
●GK遺伝子異常症ではグルコース反応性インスリン分泌不全と肝臓でのグルコース取り込み低下の双方の障害が想定される.
●GK欠損マウスは正常に生まれるものの,生後1日以内に著明な尿糖を呈し,未治療では高血糖,脱水のため数日で死亡する.
●GK欠損膵島はグルコース反応性インスリン分泌が欠如しているものの,スルホニル尿素(SU)剤やアルギニンに対しては反応する.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.