今月の主題 糖尿病臨床の最先端
トピックス—糖尿病発症関連遺伝子の解析
IRS-1ノックアウトマウス
荒木 栄一
1
,
浦 幸子
1
,
七里 元亮
1
1熊本大学医学部代謝内科
pp.321-323
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904963
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ポイント
●IRS-1(insulin receptor substrate-1)はインスリン受容体の細胞内基質であり,インスリンの様々な作用を分岐・伝達している.
●IRS-1ノックアウトマウスとは,発生工学的手法により作製されたIRS-1蛋白を全く持たないマウスである.
●IRS-1ノックアウトマウスはインスリン抵抗性の糖尿病を呈し,IRS-1が個体における糖取り込み作用を伝達していることが証明された.
●ただし,この糖尿病は当初の予想に反し軽度であり,この原因としてIRS-1作用を代償する新しい蛋白IRS-2が発見された.
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